[ 透明/不透明水彩 ]
水彩絵具は、顔料(ヒグメント)と糊材(アラビアガム)水溶液、保湿剤などを練合せた水溶性の絵具。一般的には透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具ではアラビアガムの含有量が異なる(透明水彩絵の具はアラビアガムの含有量が30%、不透明水彩絵の具では10%程度)。透明水彩絵の具は下地に描いた鉛筆の線や下に塗られた絵具が透けて見えるので、不透明水彩絵の具より淡く綺麗で繊細な感じが出せる。不透明水彩絵の具は濃いめにべた塗りし、輪郭をはっきりさせる描き方に向くといえる。
顔料(ヒグメント)は、水や油に溶けない小さな粒子性の色素。大別すると、「無機顔料(土/鉱物や合成の金属化合物)」と「有機顔料(石油化学合成を主とする)」2つに分けられる。人類は古来から土や天然の鉱物を砕くことで天然の顔料として利用してきたが、こちらは無機顔料の範疇に入り(日本画の岩絵の具もこの内に入る)、現在は極めて高価なものになってしまっている。それに対して、最先端の石油化学合成技術により数多く作り出されている合成顔料は、「有機顔料」であり、種類も量も現在作られる顔料の大半を占めている。
糊材(アラビアガム)はアフリカのスーダン:コードファン地方にのみ生育するアカシア科の植物から淡褐色の球塊として採取される天然樹脂。水彩絵具の色素を定着させる目的で使用される(食品の乳化剤として広く使用されている)。
なお、絵の具の原料にはコバルトなど一般的には毒性物質として扱われているものも多く存在し、糊材の腐敗を防ぐために殺菌剤(防腐剤)が添加されている場合もある。本来であれば、絵の具を溶いたパレットなどは、一般家庭の調理場の流しでは洗浄を避けた方がよい。
水彩絵の具は、学校教育でよく使用されるサクラやぺんてる絵の具などでもおなじみだが、使用されているのは「不透明絵の具(ガッシュ)」である。透明水彩絵の具には、固形絵の具とチューブ絵の具があるが、形状の違い以外に、両者には本質的な違いはなく(チューブの水彩絵具を固めたもの/水彩色鉛筆の芯の塊)、個人的な好みで使い分ける。ただし、大作を描くために大量に絵の具を使用する必要がある場合は、溶けやすいチューブ絵の具が良い、という考え方もある。 |
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水彩絵具の色延びが高まり細線をきれいに出したり、絵具が紙の上に広がりやすくなる効果を持つメディウム。乾燥がやや遅くなる効果もある。基本的にはパレット上で水彩絵具と混ぜ合わせて使用するが、水と混ぜて作品全体に用いることも可能。 なお、このメディウムは多量に使用したり、単独でそのまま使用すると表面に硬い膜ができて画面から剥離しやすくなるので、使用量には注意する必要がある。 |
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水彩絵具のはじきを抑えて紙へのなじみを良くし、ムラのない均一な面を塗るのに効果的な界面活性剤。 ぼかしや垂らし込みの技法に効果的に使用できる。通常はパレット上で水彩絵具と混ぜ合わせて使用する。にじみの強い紙への絵具の定着がよくなるという効果もあり、その場合は日本画でいう「どうさ引き」と同じ要領で水で薄めたオックスゴールを描画前に紙に塗布する。 |
[ 透明/不透明水彩 ]

いわゆるどうさ液。にじみの強い紙に事前に塗布することで、水彩絵具の吸い込みを抑え、にじみを抑える働きがある。等量〜2倍の水で薄めて刷毛などで紙に塗布する。十分に乾燥してから制作する。薄める水が少ないほど紙の吸収を抑えることが可能。なお、日本画においては和紙のにじみ止めのために行う「どうさ引き」という作業が、同様のものである。ただし、日本画の場合は膠液を100℃の湯で5〜7倍に薄めたものに、微量の生ミョウバン(200ccに大豆1粒程度)を入れ、熱いどうさ液を刷毛で和紙に引いてゆく。なお、「サイズ」とはにじみを抑える糊のことを指している。 |
[ 透明/不透明水彩 ]

高濃度アラビアゴム溶液。基本的には、顔料と練り合わせて水彩絵具を自作するときに使用するメディウム。ちなみに、「透明」水彩絵の具はアラビアガムの含有量が30%程度、「不透明」水彩絵の具では10%程度であり、アラビアガムの含有量が高いほどより絵の具の透明度が増すということになる。このことから、水彩絵具の透明度をさらに高め、深い色調を出す目的でこのメディウムを使用することもできる。また、不透明水彩絵の具(ガッシュ)と練り合わせれば、透明水彩調にすることも可能。
*アラビアゴムの詳細については、「水彩絵の具について」のページを参照して下さい。
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[ 透明/不透明水彩 ]

「イリデッセント(iridescent)」とは、「虹色の、玉虫色の、真珠光沢の」という意味を持つ言葉。このメディウムを使用することで、水彩絵具に真珠のような輝きと光沢を与え、画面にきらめき感を与えることができる。基本的にはパレット上で水彩絵具と練り合わせて使用するが、このメディウムのみを乾燥後の画面上に塗ることもできる。メディウムの性質上、暗い背景の上に水彩絵具に混ぜて描くときらめき感を目立たせることができる。 |
[ 透明/不透明水彩 ]

左側の画像は水彩画に白抜きをするためのマスキングインクで、絵の具で描画する前にあらかじめこのインクで描いておくと、塗った部分が耐水性に変わり上から水彩絵具を重ね塗りしても定着しないので、その部分を白抜きにすることができる。筆やペンなどで原液のまま使用する。なお、マスキングインクを塗った画面に描画する際には、乾燥後に描画を行う。また、乾燥後にインク部分は消しゴム等でこすり取ることができる。
右側の画像はペン先や筆に固まってしまったマスキングインクを取り除くのに使用する専用除去液(マスキングインククリーナー)。固化した筆などをマスキングインクが溶けるまでクリーナーに浸せばよい。その後、紙や布などでふき取り、さらに筆を水と石鹸で洗い流す。
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界面活性剤とは、水と油のように互いに混じり合わないものをお互いに混じり合わせることができる性質を持っている物質を指す。界面とは、「表面」のこと。混じり合わない水と油のそれぞれの表面同士を結びつける働きのある物質、と言い換えることもできる。
界面活性剤は水になじむ「親水基」と油になじむ「親油基」の2つの性質を分子レベルで持っている。界面活性剤を人間にたとえていえば、右手である「親水基」が水と手をつなぎ、左手である「親油基」が同時に油と手をつなぐことで、水と油の両者を取り持つことのできる性質を持っている存在である、ということができる。この性質を利用したものが、洗剤である(「油」汚れを「水」で洗い流すことができる)。
絵画においては、紙と絵の具がお互いにはじき合う性質を抑えて、絵の具の紙へのなじみをよくするという目的で使用される。均一でムラのない塗りを行うのにも効果的である。これは、界面活性剤の水になじむ「親水基」が水分子と結びついて安定した状態になり、繊維(紙の原料は植物の繊維である)などになじみやすくなるからであるといえる(界面活性剤の浸透作用)。 |
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