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 特別入試

人気学科を受験することは、得策なのか

美大にはさまざまなことを学ぶ学科が存在していますが、近年、受験生が目指そうとする学科が大きく偏りつつあります。


具体的には、グラフィック・デザイン系の学科が非常に人気となって志願者人数が多く、ファイン・アート系学科の志願者数の落ち込みが大きくなってきています。


具体的に、2011年度入試の志願者数と合格倍率を見てみましょう。まずは、人気の学科である、グラフィック系学科からみてみましょう(募集人数の多い一般入試枠のみの数値です)。


多摩美術大学グラフィックデザイン学科

募集人数 145人
志願者数 1366人
志願倍率 9.4倍

武蔵野美術大学資格伝達デザイン学科

募集人数 82人
志願者数 1188人
志願倍率 14.5倍


同じデザイン系学科でも、空間系の学科は、志願者数が控えめです。


多摩美術大学環境デザイン学科

募集人数 60人
志願者数 224人
志願倍率 3.7倍

武蔵野美術大学空間演出デザイン学科

募集人数 80人
志願者数 273人
志願倍率 3.4倍


この数字からみると、グラフィック系はそれぞれ10倍程度の倍率なのに対して、空間系は、3倍強と言ったところ。ものすごく大雑把に言って、グラフィック系は空間系より3倍入りにくい、といえるでしょう。


逆にいえば、空間系学科は、グラフィック系学科よりも3倍入りやすい、といえるわけです。


長年美大受験に関わっていると、「人気の学科に入りたい」という受験生や保護者の方がいらっしゃいます。しかし、「人気がある」ということは、「倍率が高い」ということでもあります。「倍率が高い」ということは、「入りにくい」ということにもなるのです。


倍率が高い学科に入学できる可能性が高いのは、実技や学科で圧倒的に高い実力を持っている人たちだけです。実力の伸びが中途半端になってしまった受験生は、合格できずに終わってしまうのです。


その反面、倍率の低い学科を受験しようと思っている受験生には、大きなチャンスがあります。昔だったら高倍率で入りにくかったような学科でも、少子化と人気学科の偏りによって、十分狙える範囲に入ってきているのですから。


美大受験のあり方が多様化し、情報化の時代らしく、美術の世界によりカジュアルに接していきたいという受験生が増えている現代においては、志望校決定の一要素に、合格倍率を入れるべき理由があると思います。


近年、アートのカテゴリーの境目というのは、非常に曖昧になってきています。だからこそ、様々な学科を志望の対象として考えていく価値は、十分にあると言えるでしょう。

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